北斗の拳のストーリーに絡んでくる「北斗4兄弟」。
その中でも、人格者として多くの人々に慕われているのが「トキ」です。
かつては北斗神拳の継承者になるとされていたトキですが、核戦争がトキの運命を大きく変えることになります。
ここでは、トキの裏エピソードをご紹介していきます。
Contents
1.人格者として誰からも愛されたトキ!トキの人間性がわかる9つのエピソード
トキが多くのファンを集めている、その理由は「人格者」であることが一番です。
ケンシロウとユリアを、身を挺して核戦争から守ろうするなど、様々なエピソードの中で、トキが人格者であることを垣間見ることができます。
具体的に、どのようなエピソードがあったのか、詳しくご紹介していきます。
①トキは4兄弟の中で最も優秀だった
トキは、北斗神拳の継承者たる4兄弟の1人でした。
長兄ラオウ、そして義弟のジャギ、ケンシロウと、4兄弟の2番目として修行に励んでいました。
いずれも血のつながりはなかったものの、養子として先の北斗神拳継承者であるリュウケンに見込まれ、修行にはげむことになったのです。
修行の中で、リュウケンは、4人を見比べ、技の使い手として、そして人格者としてトキを評価し、次の継承者に選ぼうとしていました。
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もちろん、他の兄弟が面白いわけがありません。
ですが、長兄ラオウや弟ジャギであっても、その才覚や技量を認めていたので、このまま優秀なトキが北斗神拳の継承者になるのも当然というところまで来ていたのです。
②トキは厳しい試練を乗り越えてリュウケンの養子になった
トキがリュウケンのもとにたどりついたのには、訳があります。
トキとラオウは幼いころ両親をなくしたのですが、生前の父親から後を頼まれていた北斗神拳の師父リュウケンに引き取られることになったのです。
リュウケンは2人に厳しい修行をさせて、平等にチャンスを与えようとします。
ある日リュウケンは、試練として断崖絶壁の上から二人の身を投げ落とし、その後に登ってくる者を見込がある者として鍛えようとします。
この時、幼いトキは崖から落とされた際に、両足にけがを負い、崖を登ることが出来なくなったのです。
少年であったラオウは、このまま崖を上れないと見捨てられてしまうと考え、トキを抱えて片手で崖を上りきります。
ラオウの行動に感銘を受けた師父リュウケンは、二人を養子として迎え入れることを決意します。
③野盗に立ち向かうトキ…その姿にリュウケンが才能を見い出した
リュウケンの養子となった2人は、北斗神拳の修業をするようになります。
この段階では、トキを抱え、片手でがけを登り切ったラオウのみが北斗神拳の継承者候補であり、トキはただの子ども、というイメージしか抱かれていませんでした。
しかし、トキが可愛がっていた犬が、武装した野盗達になぶり殺されてしまったとき、トキの感情が爆発します。
怒りに我を忘れ、野盗を素手で叩きのめし、命すら奪おうとする勢いのトキ。
その光景を目の当たりにしたリュウケンは、トキに拳法家の素質と天賦の才能を見出し、ラオウだけではなく、トキも北斗神拳継承者候補の一人に加えたのです。
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④核戦争に巻き込まれたトキは死の灰を浴びた
北斗神拳継承者に一番近いトキでしたが、そんなときに核戦争が勃発します。
多くの人々が核シェルターに逃げ込み、命を守ろうとしますが、あるシェルターに逃げ込もうとしたとき、義弟であるケンシロウとその恋人ユリアに出くわします。
自分を含めて3人、シェルターに入れるのは2人。
中には子どもを抱えた母親たちがぎっしりと入っていて、これ以上誰かが出ていける状況ではありません。
この状況の中で、トキはケンシロウとユリアをシェルターにいれ、自分は外界に身を置いたまま、被ばくしてしまったのです。
その結果、命を奪われることはなかったのですが、トキはやがて死に至る重い病を患うことになったのです。
⑤「死の病」にかかったトキ…残り余生を人のために生きるため医者になった
重い死の病を患ったことで、トキは北斗神拳の継承者候補から脱落してしまいます。
でも、トキは北斗神拳の継承者よりも、北斗神拳の技術を利用し、人々を助ける医師として生きていくことを決心します。
北斗神拳は秘孔をつくことで、身体の内部に影響を与えることができる拳法ですが、トキはこの特性を活かして、多くの人々の病気を回復させることに尽力します。
その後もトキは、世紀末の荒廃した世界で旅を続け、数多くの病や怪我に苦しむ人々を治療していく、さすらいの医者となって余生を過ごすことを決意したのです。
⑥尊敬する兄ラオウは支配欲むき出しの「拳王」に…ラオウがトキの命を奪おうとした
意志として活躍しているときですが、自らも死の病を患ってしまい、次第に身体が死の病にむしばまれていきます。
トレードマークだった黒い長髪も、被ばくの影響で真っ白に変化し、かつての面影はなくなってしまいました。
それでも、トキは医師としての活動をやめることはありませんでした。
トキが滞在する村や町は「奇跡の村」と呼ばれ、周辺の村からたくさんの救いを求める人が訪れるようになりました。
そこに現れたのが、あのラオウです。
ラオウは、北斗神拳継承者に選ばれることなく、この世に不平と不満を抱き、自らの力でこの世を支配しようとする顕示欲に駆られていました。
その手始めとして、自らを継承者に選ばなかったことを不服に思い、ラオウは師匠であり養父であるリュウケンと拳を交え、倒してしまいます。
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誰も自らを止めることが出来なくなったラオウは、「拳王」を名乗り、力でこの世を支配するべく、村々を攻撃し始めます。
そんなさなか、ラオウはトキが生きていて、人々から尊敬される医者になっていることを知り、自分の世界征服に邪魔な人間として、トキを殺すために追っ手を向けます。
奇跡の村にラオウの追っ手が来た時、トキは村人に犠牲者を出さないために自ら進み出て捕虜となります。
⑦ラオウに捕らわれたトキをケンシロウが救った
ラオウに捕らわれたトキは、監獄都市カサンドラに収監されます。
その頃、ラオウの暴走を止めようと旅を続けていたケンシロウは、トキが生きていることを知り、その救出のためにカサンドラへやってきます。
ラオウの手下は既にケンシロウの敵ではなく、ケンシロウは南斗水鳥拳のレイと協力し、トキを救い出すことに成功します。
それを知ったラオウ自らがカサンドラに乗り込み、ケンシロウと対戦するのですが、この時のケンシロウはまだまだラオウを倒すことができません。
ケンシロウのピンチに、レイは身を挺してラオウと対峙した結果、余命数日になってしまう秘孔を突かれてしまいます。
この時トキは、ケンシロウにすべてを託す決意を固めます。
⑧尊敬した兄・ラオウは悪魔…トキはラオウを倒すために自らの秘孔を突いた
これ以上、ラオウの暴走を見逃しておくわけにはいかない。
そう決心したトキは、病を背負った身体でラオウに戦いを挑みます。
このときトキは、自らの残りの命を縮めてでもラオウに勝利したいと、秘孔「刹活孔」を突き、一時的に剛力を得ます。
ラオウと同等の剛力を得たトキは、「天翔百裂拳」でラオウに膝をつかせるまで追い詰めます。
それもそのはず、技のスピードと切れ味ではラオウはトキにかなわなかったのですから、それで剛力をトキが身につけたなら…この時点で、ラオウは自らの敗北が頭によぎります。
ですが、「刹活孔」の効果が無くなり、徐々に弱っていく拳の力では、ラオウにとどめを刺すことができません。
逆に、ラオウから繰り出された拳により、トキは敗北してしまいます。
ラオウはトキに拳を振り下ろすも、わざと狙いを外し、とどめを刺しません。
「拳王を目指した男トキは死んだ。此処にいるのはただの病と闘う男」と語るラオウ。
トキの命までは奪わず、残り少ない余生で体をいたわるように告げ、ラオウはその場を去ります。
ラオウはわかっていたのです。
トキの余命が、もういくばくもないことを。
⑨悲しみを拳に込めよ…余命わずかのトキはケンシロウに最終奥義を授けた
奇跡の村に帰ってきたトキは「刹活孔」を突いた影響で、もはや余命も僅かとなり、村人達への医療行為もまともには行えない状況になっていました。
そこに天狼星のリュウガが襲ってきます。
リュウガはラオウの元配下でありましたが、ラオウの暴走を止めることを願い、ラオウのもとを飛び出してきたのです。
そしてリュウガは、ラオウを倒すことができる男、ケンシロウの覚醒を図るために、慕っているトキを襲うことで、そのきっかけを作ろうとしました。
そのことをトキ自身も察して、リュウガの手にかかって致命傷をわざと受けることで、リュウガに連れ去られることを選びます。
2人の思惑どおり、ケンシロウはリュウガを倒すために後を追ってきます。
リュウガとの戦いの中で、トキがリュウガに心臓を貫かれるとケンシロウが覚醒し、リュウガはあっという間にケンシロウに倒されてしまいます。
事切れる寸前となったトキはケンシロウに「哀しみを怒りにかえて生きよ」と諭し、北斗神拳最終奥義「無想転生」を授け、打倒ラオウをケンシロウに託したのです。
まとめ
北斗の拳の世界は、力ある者が正義と言われるような世界観ですが、この世界観の中において、トキの存在は極めて貴重な存在です。
トキは、自分の野望や欲とは無縁で人々を気遣い、平和を愛する性格の持ち主であり、その風貌からイエス・キリストをイメージさせるような人物として描かれています。
また、北斗神拳を使う時にも、苦痛を伴わない技で悪党を倒すなど、憐れみと慈悲の心を持って対応しているところが、人格者たるゆえんです。
なにより、自分の命を犠牲にして、ケンシロウにすべてを託すだけの器量を持ち合わせているトキ。
この生き方を「男らしい」と言わずして、何と呼べばいいでしょうか。
私たちはこれからもトキという男のことを、忘れることはないでしょう。
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