北斗の拳には、さまざまな偽物が登場することがあります。
ケンシロウの偽物と言えばジャギですし、他にも「自称北斗神拳」の使い手など、さまざまな偽物が登場するのですが、その中でも異彩を放っていたのがアミバです。
あのケンシロウですらトキと見間違えることがあったアミバですが、実はラオウの手下として拳王軍に所属していた戦士のはしくれでもあったのです。
今回はアミバがトキになり済ました4つの理由をご紹介していきます。
Contents
1.アミバはなぜトキになろうとしたのかが分かる4つの理由
アミバは、その風貌すらトキに似ているぐらいで、単なる偽物と言っても「精巧な偽物」を演じ切った男です。
風貌だけではなく、北斗神拳の基本ともいえる秘孔の技術もある程度知っているなど、ただの素人とは言えないだけの実力を持っているのも事実です。
実際、アミバが使った秘孔は、北斗神拳の使い手たちでも見つけていなかった秘孔も存在していたのです。
つまり、正しく技術を用いていれば、アミバだって世の中の役にも立てていたかもしれないのです。
そんなアミバは、なぜ偽物のトキになろうとしたのでしょうか?
①トキから北斗神拳を授けてもらえなかったことを逆恨みしたから
アミバは、かつて南斗聖拳を学んでいた戦士のはしくれでした。
その後、北斗神拳のトキが秘孔の技術を使って人々の病気を治していることを知ると、その奥義を授けてもらおうと、トキのもとを訪れます。
スポンサーリンク
トキの村を訪れた時、トキは偶然外出していたため、アミバが帰って来ると、風貌が似ているアミバのことを村人が「トキ様が帰ってきた」などともてはやし、ついついアミバもその気になってしまいます。
調子に乗ったアミバは、生半可な知識で知っている秘孔を突くことで、老人の病気を治そうとしますが、逆に老人の足を破壊してしまい、治療に失敗してしまいます。
そこに、本物のトキが帰ってきて、偽物のトキ(アミバ)を見つけますが、本物のトキはアミバを退治しようとはせず、顔を叩くことで暗にこの場を去るようにアミバに圧力を賭けます。
秘孔の技術を教えてももらえず、かつ自分の存在を否定されたように感じたアミバは、それ以降トキを逆恨みするようになります。
その後、ラオウの手下によってトキが牢獄都市カサンドラに連れ去られると、機に乗じてアミバは再び偽物トキになり、身勝手な人体実験を行うようになります。
この人体実験が、後にケンシロウの怒りをかい、アミバ自身の寿命を縮める結果になるのです。
②ジャギからトキの偽物になることをけしかけられたから
ここでもジャギか!と思う人も多いかもしれません。
アミバの場合も、ジャギが偽物のトキになるようにけしかけてしまうのです。
ジャギの前科はとにかく多く、人をけしかけるのがとにかく多いです。
・シン→ケンシロウからユリアを奪うようにけしかける
・ラオウ→ユリアを奪うようにけしかけてケンシロウを倒させようとする
・アミバ→トキの偽物になって本物のトキの評判を落とそうとする
こんな感じで、とにかくジャギは人の足を引っ張ることが多いんです。
実はジャギには狙いがあって、ラオウの手下として忠実に行動した結果として、アミバをけしかけることにしていた経緯があったのです。
と言うのも、ラオウはケンシロウだけでなく、同じ北斗神拳の継承者候補だったトキも探していたのです。
スポンサーリンク
ラオウにしてみれば、自分以外に北斗神拳の継承者候補はいらないので、ケンシロウは殺す決意を固めていましたが、トキも探し出して始末する必要があったのです。
そのために、ジャギを使ってトキを探させていたところ、ジャギが都合よくアミバを見つけ、本物のトキを探すために利用されたというわけです。
だますジャギも悪いのですが、その気になって偽物を演じるアミバもアミバです。
③ラオウの手下としてトキの捜索に当たっていたから
また、北斗の拳劇場版では、マンガ版と違ったストーリーとなっていて、アミバはラオウから直接指示を受けて、トキを探すように命じられていた設定もあります。
ラオウがトキを探しているのは、やっぱり北斗神拳の継承者候補であるトキを何とかして抹殺し、自分だけが北斗神拳の継承者になるためです。
この時アミバは、自分から率先して偽物のトキになることで、本物のトキが登場することを予測し、その時は拳王軍の軍勢によってトキを捕らえてもらおうと考えていたのですが、うまく話は進みません。
でも、アミバの演じる偽物のトキはかなり精巧に似せていたらしく、あのケンシロウでも初対面のアミバを見事にトキと勘違いしています。
実際、アミバが繰り出す技の数々をケンシロウが見て、あの技の切れはトキに間違いないと確信したくらいですから、アミバ自身も有能な戦士のはしくれだったのでしょう。
④自身の欲求を満たすために人々を実験台にしたかったから
アミバが偽物のトキになってやっていたのは、秘孔の研究をする人体実験をすることです。
牢獄都市カサンドラに幽閉されたトキの後に、自らが偽物のトキとなって奇跡の村を支配すると、治療の一環と称して村人達を木人形(デク)にした人体実験を繰り返し、秘孔の研究に没頭します。
もちろん、興味本位と技術不足で行っている秘孔の実験など、当然失敗することは分かり切っています。
結局、アミバは罪もない村人の命を奪う自己満足な研究を繰り返すことにより、憎いトキの評判を落とすことに執着するようになります。
そこにケンシロウが到来し、偽物のトキであるとしてアミバに戦いを挑みます。
アミバとケンシロウは互角の戦いを繰り広げる中、アミバはあえて作っていた背中の傷を見せることで、己が本物のトキであることをケンシロウに伝えます。
そこでケンシロウ、戦意喪失するかと思いきや、逆に吹っ切れて「おまえは昔のトキではない!」とアミバ(というか偽物のトキ)を殺そうと仕掛けてきます。
思わぬケンシロウの反応にたじろぐアミバ、あわてて自己流の北斗神拳を使って筋力をアップさせて対抗しますが、あっけなく失敗して自らの拳を破裂させてしまいます。
結局ケンシロウの怒りは収まらず、あわてて「俺は偽物だ!」と白状するも、北斗残悔積歩拳を受けて、自らの意志とは関係なく歩かされ、超高層ビルのテラスから落下しながら、爆発死する非業の最期を遂げます。
アミバは結局自己満足な実験を行いたいから、偽物のトキを演じていたわけですが、その実験には、自分の命と言う代償を払う必要があったわけですね。
スポンサーリンク
まとめ
アミバと言う男、単なるひきょう者と言うにはかなり賢い男である印象があります。
ケンシロウなど北斗の関係者しか知らない「トキの背中の傷」のことをどこからか知りえて、そこまで似せているずる賢さ。
そして、偽物のトキを演じるたびに、北斗神拳の基本的な技や秘孔を理解し、実際に使いこなして見せるところも、アミバの器用さを感じさせます。
そして、アミバ自身が発見した秘孔の力を使って、ケンシロウを驚かせるようなシーンもあったのですから、ある意味アミバは「秘孔の先駆者」の一面もあったのかもしれません。
そもそも北斗神拳本来の秘孔は内部から身体を破壊するものが多く、アミバのように身体の一部を強化したり能力をアップさせる秘孔はありませんから、それを見つけてしまったアミバはやっぱり「すごい」男なのかもしれません。
ただし、アミバ本人は自分の本当のすごさに気付かない、偽物で満足するだけの人間であったことが、残念な結末の原因でしょう。
スポンサーリンク