北斗の拳と言えば、さまざまな戦士たちが使う「奥義」が登場し、主人公ケンシロウを苦しめました。
そのケンシロウ自身も、さまざまな奥義を会得して、強敵に立ち向かい、うち破ってきました。
子どもの頃、よく奥義のセリフを叫んで北斗の拳ごっこをした人も多いのではないでしょうか。
ここでは、天翔十字鳳にも引けを取らない6つの奥義について、詳しくご紹介していきます。
Contents
1.最強の奥義は何だ?!物語に登場する6つの奥義
北斗の拳における奥義は、それぞれの拳法の持ち主が会得して使いこなすもので、相手が相当の強者であった時に、はじめて繰り出すものです。
作中では、奥義と奥義のぶつかり合いになったこともしばしばあります。
いったい、北斗の拳において、どの奥義が最も強いのでしょうか?
①内部から敵の身体を破壊する…ケンシロウやラオウが使う「北斗神拳」
北斗神拳は、ケンシロウが前継承者リュウケンから引き継いだ奥義です。
リュウケンは北斗神拳を見込みのある者1人に継がせようと、ラオウやトキ、ジャギ、そしてケンシロウと言う見込みのある4人の義兄弟を競わせていました。
最終的には継承者に選ばれなかったラオウがリュウケンを殺し、ケンシロウを打倒して自分が支配する世を手に入れようと「覇王軍」を結成し、世の中の混乱を招くことになります。
ラオウとケンシロウの最終決戦では、トキから究極奥義「無想転生」を会得し、悲しみを怒りに変えて、さらに拳の力に変えるという奥義を駆使した勝負となりましたが、思いの強いケンシロウが勝り、ラオウを倒します。
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北斗神拳は「悲しみの拳」と言われるのは、この戦いの後からになるのです。
ケンシロウは強い主人公として作中に登場しますが、その強さの源には、多くの悲しみを抱えていることを、この機会に覚えておいてほしいものです。
②外部から敵の身体を破壊する…ケンシロウの良き友・レイが駆使した「南斗水鳥拳」
北斗神拳が内部から敵の身体を破壊するのに対して、ケンシロウの良き友となったレイが駆使するのは、鋭い手刀で敵の身体を切り裂く奥義「南斗水鳥拳」です。
南斗水鳥拳は、南斗聖拳の中でも特に奥義と言われる6大奥義の1つで、他にもさまざまな奥義があるのですが、最も美しい技と言われます。
その美しさは、南斗紅鶴拳の使い手であるユダが、自らより美しい拳の姿を見て、やがてレイに嫉妬し、戦いを挑むまでに至ります。
南斗水鳥拳のメカニズムは、手刀のパワーももちろんですが、手刀を駆使する中で生じる真空派によって敵の身体を傷つける仕組みとなっています。
そのため、使い手であるレイの力加減では、肉体を傷つけることなく、着ている衣類だけり裂くこともできるので、実際に作中では戦いにいきり立つマミヤの衣類だけを切り裂き、マミヤの行動をいさめているシーンもあります。
このシーン、多くの青少年にとっては衝撃的だったようで、今でも北斗の拳と言えば「マミヤの衣服が切り裂かれる」シーンをイメージする読者も多いはずです。
③闘気をオーラに変えて敵を切り裂く「元斗皇拳」
元斗皇拳は、核戦争後の世界を支配する「天帝」を抱く天帝軍の一味が使う、北斗神拳とは違う暗殺拳の1つです。
元斗皇拳の特徴は、戦士の闘気をオーラに変え、その波動で敵の細胞を破壊し、戦闘能力を奪うというもので、使いこなす戦士の闘気が高ければ高いほど、強い戦闘力を発揮するものです。
作中に登場した中で、もっとも強い戦士が金色のファルコでした。
ファルコには、かつてラオウが覇王軍を率いて世の中を支配しようとしていた時、天帝の命すら奪おうとしましたが、ファルコはあえて自分の右足を切り取って差し出すことで、ラオウが天帝に手出しをしないように仕向けたエピソードがあります。
この時のラオウは「あのままファルコと対峙していれば明らかに負けていた」とつぶやくシーンもあるので、その強さを認めていたこともわかります。
その後ラオウがケンシロウに倒され、覇王軍が壊滅したのを見極めて、天帝軍の行動を開始するところ、ファルコのしたたかさを実感します。
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その後ファルコはケンシロウと対峙しますが、ケンシロウに秘孔を突かれた時、その周辺の細胞を自ら破壊する「北斗封じ」を駆使して、ケンシロウと対等に戦います。
元斗皇拳は、その奥義の強さはもちろんですが、ファルコという戦士の強さも作中では目立ったので、かなり印象に残っているファンも多いです。
④修羅の国の支配者カイオウが使った悪闘気の拳「北斗琉拳」
北斗の拳史上、最強の悪役と言えば、北斗琉拳の使い手、カイオウです。
カイオウはラオウやトキの実兄であり、そもそも北斗神拳の伝承者候補にすら選ばれなかった男です。
なぜ選ばれなかったのか、それはカイオウが野望を抱き、強烈な悪闘気を身につけていた男だったからです。
そしてカイオウは、修羅の国に残され、さらなる悪闘気を身につけた結果、北斗琉拳の使い手として、修羅の国から世界征服を志すようになります。
そして、ラオウやトキ、そして北斗神拳の継承者となったケンシロウを抹殺し、北斗神拳そのものをこの世から抹殺しようとたくらむのです。
北斗神拳が悲しみの拳であれば、北斗琉拳は「憎しみの拳」といえば、わかりやすいでしょう。
人を憎めば憎むほど力が増しますから、ケンシロウとの最終決戦では、今までの冷遇や北斗神拳に対する憎しみが最高潮に達し、ケンシロウもピンチに陥ります。
北斗琉拳は憎しみがエネルギーである分、その憎しみの根源が絶たれるとパワーが減少するのも特徴です。
この特徴は、最終決戦でケンシロウがカイオウの想いをくみ取り、今までのカイオウのありさまに対して憐れみ、愛を持って接すると、たちまち魔闘気が減少し、ケンシロウに倒されてしまったことからも、よくわかります。
北斗琉拳は、使う方も不幸になり、使われる方も不幸になる、そんな拳法なのかも知れません。
⑤北斗の拳では珍しい足技の拳「南斗白鷺拳」
南斗六聖拳の1人であるシュウが使う拳が「南斗白鷺拳」です。
シュウは「仁星のシュウ」とも呼ばれる男で、ケンシロウの人格形成に大きな影響を与えた男です。
かつてケンシロウは「南斗十人組手」という、南斗の戦士たち10人と対峙してすべてを倒さねばならないという苦行に挑んでいました。
その10人の1人がシュウであり、シュウとケンシロウは組み手を行いますが、その時にケンシロウはシュウに敗れてしまいます。
この組み手の掟は「敗れた者は死す」というものであり、当然ケンシロウは殺されてしまうべきところですが、シュウは自らの両目をつぶし「ケンシロウが敗れたところは見ていない」と言い、ケンシロウを助命します。
その後、シュウは南斗六聖拳の1人として同じ南斗の男、聖帝サウザーとも戦うことになりますが、その技は決して目が見えない戦士の繰り出す技とは思えませんでした。
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シュウがサウザーに敗れて死した後、ケンシロウがサウザーと戦った時、あえてケンシロウは南斗白鷺拳を繰り出し、サウザーに一撃を加えます。
この時「せめて一傷、シュウの拳を浴びせたかった」とケンシロウがつぶやくのは、私自身も印象の残っているセリフです。
⑥秘孔が通用しない!?聖帝サウザーの操る「南斗鳳凰拳」
最後に紹介したいのは、この南斗鳳凰拳です。
南斗六聖拳の1人、聖帝サウザーが使う奥義「天翔十字鳳」は、なんと拳が一切効かないという、恐ろしい奥義なのです。
天翔十字鳳自体は、両手を横に広げた十字の構えから、相手に向けて跳躍し、天空を舞いながら相手の攻撃を回避し、敵の肩あたりを一撃で切り裂くもので、南斗聖拳の特徴である「外部から敵を攻撃し切り裂く」という特徴をそのまま受け継いでいます。
天翔十字鳳がすごいのは、奥義を駆使する際にオーラを身にまとう事で、物理的な攻撃を身体に一切寄せ付けないという部分です。
つまり、拳による攻撃が一切効かないので、ケンシロウも拳で秘孔を突くことができないわけで、実際にケンシロウとサウザーが対決した時は、ケンシロウもかなり苦戦しています。
それでも、ケンシロウも強い戦士であり、戦いの中でサウザーの特徴を掴み、サウザーの触れずに秘孔を突く奥義「天破活殺」を駆使して、サウザーの足の動きを封じ、その結果、サウザーも天翔十字鳳を繰り出すことができなくなって、ケンシロウに敗れてしまいます。
様々な奥義の中でも、ケンシロウの強さの基本でもある北斗神拳、特に秘孔攻撃が通じないというのは、天翔十字鳳しか存在しません。
まとめ
北斗の拳がこれだけ人気を集めたのは、様々な戦士が繰り出す奥義のすごさもありました。
でも作中では、奥義が必ずしも無敵ではなく、ケンシロウによって破られていき、強い戦士と戦うたびにケンシロウが強くなっていくわけです。
北斗の拳が青少年の間で人気になったのは、この「強くなっていくケンシロウ」「弱点を見破り敵を倒すケンシロウ」の存在もあったのではないでしょうか。
あと、個人的に思うのは奥義の名前がかっこいいというのも、特徴として挙げられます。
どの奥義も名前に負けない威力を発揮しますし、その奥義を使いこなすキャラクターにぴったりの奥義となっています。
北斗の拳が人気を集めたのは、キャラクターの個性ももちろんですが、奥義と言うエッセンスがあったからこその人気であったと言えるのではないでしょうか。
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