ケンシロウは戦いの中で、ユリアを探し求め、多くの男たちと拳をかわしました。
ケンシロウだけではなく、ユリアをめぐっては、多くの男たちが関与し、彼女の運命を大きく左右していくことになったのです。
ここでは、数多くのエピソードの中から、ユリアにまつわる裏エピソード9つをご紹介していきます。
Contents
1.ユリアとはどんなキャラクター?ユリアにまつわる裏エピソード9つ
ユリアは、北斗の拳の中では珍しい女性の登場人物です。
でも、女性でありながら、彼女は北斗の拳のストーリーに重要な役割を持っています。
ストーリーとからめながら、彼女がどんな人物であるのか、エピソードをいくつかご紹介しましょう。
①ユリアは南斗聖拳の後継者だった!
ユリアはただのヒロインではなく、南斗の血をひくものとして、生まれつき過酷な運命を背負った女性でもありました。
南斗聖拳の血を引くユリアは、将来は南斗の後継者となるべく者として生まれ、後継者として育てられる過程で、次第に感情を失った少女として成長しました。
そもそも南斗聖拳と言えば、ケンシロウが使う北斗神拳と相反する暗黒拳の1つでありました。
こうして、生まれながらにして重い運命を背負ったユリアは、このまま冷酷な殺人マシーンとして生きていくのかと思われたのです。
②ユリアとケンシロウとの出会いは「優しさ」であふれていた!
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ユリアが冷酷な殺人マシーンとして成長することを、良しとしない人々も存在していました。
ユリアを育てていく中で、南斗の長老たちは「このままではいけない」と考え、ユリアをライバルである北斗の聖地へ連れて行ったのです。
ライバルの聖地に出向くことで、ユリアが失っていた感情というものを取り戻すきっかけになりはしないかと、一種のショック療法を試みたわけです。
北斗の聖地にやってきたユリアは、当時の北斗神拳継承者リュウケンに出会い、リュウケンの子どもたちが修行に励む姿を目撃します。
そこには、幼いケンシロウと、ケンシロウに北斗神拳の稽古をつけていた兄のラオウと出会います。
この時、ラオウから睨まれたユリアは、その気迫に負け、手に持っていた鞠を落としてしまいます。
ですが、その鞠を拾ったケンシロウは、優しい表情をしてユリアにそれを手渡した時、その顔に微笑を浮かべました。
この時、ケンシロウと出会い、その優しさに触れたことで、ユリアは感情を取り戻すことが出来たのです。
③ケンシロウと婚約したユリアを核戦争が襲う!
ケンシロウとユリアの最初の出会いから数年後、199X年に地球は核戦争に巻き込まれ、多くの文明が一瞬にして崩壊しました。
核戦争の後は世の中は暴力が支配する世界となり、力あるものだけが生き延びることが出来る弱肉強食の世界になったのです。
核戦争の前、ユリアとケンシロウは婚約し、2人で幸せな人生を送ることを望んでいました。
ですが、核戦争が2人の運命を大きく変えてしまったのです。
核戦争に巻き込まれた2人は、北斗神拳の真の継承者であったトキの手引きにより、核シェルターの中に入り、難を逃れます。
核戦争を乗り切ったケンシロウは、ついに正当な北斗神拳の継承者となり、ユリアと2人で北斗神拳を守り受け継いでいくことになるのですが、そこに現れたのは南斗聖拳の使い手であるシンだったのです。
④シンに連れ去られたユリアは自ら死を選んでいた!
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核戦争の後、ケンシロウが北斗神拳正統伝承者に決まり、二人で共に旅立つ日に、シンが現れます。
シンはケンシロウに圧倒的な強さを見せつけ、力ずくでユリアはシンに強奪されてしまったのです。
この時、シンから受けた虐待の名残が、ケンシロウの胸に刻まれている北斗七星の傷です。
ユリアを連れ去ったシンは、ユリアひとりの愛を得るがために、与えうる全てを与えようと暴力と殺生の限りを尽くしました。
そして、ユリアの歓心を得るためだけに、彼女のためだけの街「サザンクロス」を築き上げました。
ユリアはそこで悟ります。
自分が生きている限り、シンの略奪と殺戮が続くのだと。
その事実に絶望したユリアは、自らの命を絶つことを決め、居城より身を投げました。
一方そのころ、ユリアが自ら死を選んだことも知らず、ケンシロウはシンからユリアを取り戻すために、サザンクロスに足を踏み入れます。
ユリアがいなくなった後であったため、シンは人形で作ったユリアを飾り、己の心の悲しみを癒していました。
そこにやってきたケンシロウと拳をかわしますが、かつてのケンシロウとは思えない強さに、シンは動揺します。
そしてシンは、ユリアの人形を心臓を拳で貫き、ユリアが生きていると勘違いしているケンシロウの、絶望を与えて戦意を失わせる賭けに出ました。
それが逆にケンシロウの怒りをかい、ケンシロウの渾身の力を込めた拳によって、シンはあっけなくケンシロウに敗れ、命を失いました。
シンを倒した後、ユリアが亡くなったことを知ったケンシロウは、ユリアのことを諦めきれないまま、新たな戦いに身を投じることになります。
⑤実はユリアは死んでいなかった!
サザンクロスで身を投げたユリア、実は彼女は生きていたのです。
身を投げた時に彼女を救ったのは、南斗五車星の戦士。
戦士たちの手によって、ビルから身を投げた時に救われたユリアは、傷一つ負うことなく助けられます。
南斗五車星の手でユリアが救われたことを知ったシンは、そのまま彼女を五車星に託すことにします。
というのも、シンは自らに迫る現実をしっていたのです。
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まず、北斗神拳の使い手であり、ケンシロウの実兄であったラオウが勢いを増して勢力を広げていること。
そのラオウが、ユリアを探し求めていること。
シンは、やがて自分もラオウに倒されてしまうことを懸念し、南斗五車星にユリアを託すことにしたわけです。
その後もユリアの生存は南斗五車星により秘密裏に隠蔽されていました。
そしてケンシロウ自身も、シンが、ケンシロウもラオウも彼女が既に亡くなったものと思っていたわけです。
⑥ユリアを我が手に収めるため!ケンシロウとラオウの戦いが始まった!
ケンシロウは旅の途中で南斗六聖拳の伝承者たちと出会い、戦いを繰り広げます。
戦いのさなか、ケンシロウは自分を騙って暴虐の限りを尽くす、ケンシロウの実兄の1人、ジャギに再会します。
その再会は決して感動の再会ではなく、ケンシロウは北斗神拳同士の対決を行うことになり、ジャギをその拳で仕留めたのです。
ジャギを倒したケンシロウは、死に際のジャギから、かつて北斗神拳の伝承者候補だった兄たちの生存を知りました。
そんな兄たちの中でも、ケンシロウとユリアの恩人であるトキのことを、ケンシロウは気にかけていました。
そんなトキが監獄都市カサンドラで囚われていたところを発見したケンシロウは、トキを救い出すことに成功します。
慕っていた兄との、つかの間の再会を喜ぶ間もなく、ケンシロウはトキからある事実を聞かされます。
それはラオウが「拳王軍」を率いて、この世を支配しようとしていること。
そしてラオウの目的が、南斗の者によってかくまわれているユリアを手に入れることにあることを。
⑦ユリアを手に入れるため!ラオウは己の拳をケンシロウに向けた!
ケンシロウ最大のライバルであるラオウは、拳王軍を率いてケンシロウの前に現れます。
ラオウは、「世紀末覇王」として、核戦争後の混乱に終止符を打ち、自らが支配する世界を作ることを目指していました。
でもそれは表向きの話で、実際には、生存していることを知ったユリアを手中に収めたかったのです。
それの意味することは、かつてユリアが婚約していたケンシロウという存在を、この世から抹殺することでした。
ラオウが暴力の限りを尽くしている説き、ユリアは、南斗六聖拳の最後の将として、彼女を護る南斗五車星の戦士たちに守られていました。
一方、力で世の中を支配しようとするラオウを、北斗神拳の使い手としてこのまま放置することはできない。
そう決意したトキは、ケンシロウの留めるのも断り、戦士としてラオウに死を賭した戦いを挑みます。
ですが、死の病に侵されていたトキは力尽き、ラオウを追い詰めたものの、結果的に破れてしまいます。
この時トキは、ケンシロウの目の前でラオウと戦い、その姿を見せることで、ケンシロウに北斗神拳究極奥義「無想転生」を会得させることに成功します。
こうしてトキはこの世を去り、打倒ラオウをケンシロウに託したわけです。
⑧ユリアをめぐって最後の戦い!ケンシロウが北斗神拳究極奥義を繰り出す!
ユリアを守っていた南斗五車星の戦士たちは、奮戦もむなしく、ラオウに倒されました。
こうしてユリアは、ケンシロウとの再会を果たす前に、ラオウに身を奪われてしまったのです。
ユリアを取り戻すためにケンシロウはラオウを追います。
そんなケンシロウの行動を知り、ラオウはある場所をケンシロウとの戦いの舞台に選びました。
その場所とは、二人がユリアと最初に出会った北斗錬気闘座だったのです。
はじめて会った場所で、ユリアをめぐってラオウとケンシロウは拳をかわします。
死闘を繰り広げた結果、ケンシロウはトキに授けられた北斗神拳究極奥義「無想転生」を駆使し、ラオウを倒すことに成功します。
こうして最後の戦いにケンシロウが勝利し、ユリアはケンシロウとようやく再会することが出来たのです。
⑨ユリアとケンシロウのその後は…!
ラオウからユリアを取り戻したケンシロウ、物語はここでハッピーエンドを迎えるかと思われました。
しかしユリアは、トキも侵されていた「死の病」にかかっていたのです。
ラオウを倒し、ケンシロウが再会した時には、余命数カ月という状態だったユリア。
瀕死のラオウは、ユリアの秘孔をつき、病気の進行を食い止め、余命を数年延ばして絶命します。
ラオウが与えてくれたユリアの余生、この余生を彼女とを穏やかに過ごすことを決意したケンシロウは、戦いをやめます。
残る余生を送るため、安住の地を求めて、最後の旅に出たケンシロウとユリア。
旅の途中で「天帝軍」を名乗るショウキに出会ったケンシロウとユリアは、ショウキに提供してもらった隠れ家で、余生を暮らすことになりました。
でも、ケンシロウは、この時に気付いていませんでした。
天帝軍、その正体はラオウ亡きあとにこの世を支配しようと現れた、新たなる力と暴力を振りかざす組織であることに。
まとめ
ユリア亡きあと、ケンシロウは天帝の威光を笠に着て悪政を繰り広げる元斗皇拳の使い手、総督ジャコウとの戦いに身を投じます。
その後、北斗のルーツがある修羅の国に渡ったケンシロウ。
そこにはラオウとトキの実兄、ケンシロウ自身もその存在を知らなかった男が敵として待ち受けていました。
北斗神拳をさらに上回る暗殺拳「北斗琉拳」の使い手カイオウが支配する修羅の国。
こうしてケンシロウはユリア亡きあとも戦いに身を投じ続けることになったのです。
ケンシロウにとって、ラオウからユリアを取り戻し、ユリアが亡くなるまでに過ごしていた数年間が、一番穏やかな年月だったのかもしれません。
いずれにせよ、ケンシロウとユリア、2人を取り巻く物語があったからこそ、「北斗の拳」という作品も人気を博したといっても、過言ではありません。
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