ジャギと言えば「俺の名を言ってみろ」と、ケンシロウの名をかたって様々な悪事を働いてきた悪人として有名です。
そんなジャギでも、かつてはラオウ、トキ、ケンシロウと並んで北斗神拳の継承者候補として名前が挙がっていた男であると聞けば、びっくりする人もいると思います。
北斗神拳の継承者候補に挙がっているとは、そんなに悪い人間ではないのかもしれないと思うでしょうが、ジャギは正直言って悪人です。
ここでは、ジャギが徹底的に嫌われる4つの理由について、詳しくご紹介していきます。
Contents
1.ジャギがここまで嫌われてしまう4つの理由とは?
ジャギは北斗の拳の作中でも、人を助けるとか、困っている人を救うとか、とにかく「正義」を行使したことがありません。
人をだます、うそをつく、強い者に寝返る…とにかく、自分の保身しか考えていない男です。
作者の武論尊先生も「ジャギは北斗の拳史上最も凶悪な人間」としてイメージしていると公言されていますし、ジャギがみんなから嫌われるのは当然と言えます。
そもそも、ジャギがここまで嫌われてしまうのは、どうしてなのでしょうか?
①顔の傷の復讐…ケンシロウに成りすまし悪行を働いたから
そもそも、ジャギがあのような顔の傷を負うことになったのか、覚えている人はいるでしょうか。
あの顔の傷は、実はケンシロウにつけられたものだったのです。
北斗神拳の正統伝承者にケンシロウが選ばれた際、自分が北斗神拳を使えないようにされることに恐怖を覚えてジャギは、ケンシロウに継承者を辞退するように強要します。
スポンサーリンク
また、兄であるラオウとトキに「伝承者がケンシロウで良いのか」などといいより、とにかく自分の身を守るために様々な手を使おうとしました。
挙句の果てにはケンシロウの元へ行き「親父に謝って伝承者を辞退してこい」と迫り、ケンシロウを脅迫するジャギ。
ですが、その行動がケンシロウの怒りを買い、初めて兄に本気を出したケンシロウの前に手も足も出せず、危うく殺されそうになります。
本当ならジャギを容易に殺せたはずのケンシロウですが、非情になれなかったケンシロウは止めを刺さなかったため、ジャギは辛くも命を救われます。
この時、ケンシロウに秘孔を突かれたため、ジャギは頭部と顔面が激しく歪み、毛髪も一部抜け落ちるなど、惨い姿になってしまいます。
その姿を隠すために、金具やチューブで骨格を矯正し、醜い醜態はヘルメットを着用して隠すようになったのです。
ヘルメットを着用することで、自分の顔がわからないと知ったジャギは、それを利用して、自分の胸にも七つの傷をつけ、自分がケンシロウであると嘘をつき、悪行の限りを尽くすようになります。
醜い姿になったのは自業自得ですが、その姿すら利用してケンシロウの評判を落とすような悪行を尽くすジャギは、やはり嫌われても仕方がありません。
②優れた弟をいじめる…態度と実力が伴っていないから
ジャギは自分が最も優れている人間であると、大きな誤解をしていました。
ケンシロウにひどい目に負わされたのは偶然だと思い込んだジャギは、次第に傷を負わせたケンシロウに激しい恨みを抱き、激しい復讐心を抱くようになります。
ケンシロウが各地の悪党を倒し「救世主」と崇められているのを知ると、自ら胸に北斗七星を模した傷を刻み、ケンシロウの名を騙り悪行を繰り返します。
その時「俺の名を言ってみろ」と人々の恐怖をあおりながら悪行の限りを尽くすジャギは、まさに悪人そのものです。
そんなジャギですが、かつては北斗神拳継承者の候補として、義兄弟であるラオウやトキ、それにケンシロウたちと師匠リュウケンの元で修行に励んでいたのです。
でも、修行時代から「兄より優れた弟など存在しない」と豪語し、弟にあたるケンシロウを格下扱いにしていて、以前から嫌っていたのです。
稽古の際も、卑怯な手を使ってケンシロウをいじめるようなことも多かったジャギ。
スポンサーリンク
ケンシロウ自身は、既にジャギを上回る実力を身につけていることを知っていましたが、兄のプライドを守るためにわざと負けていたのです。
そんなケンシロウの配慮も知らないジャギは、ケンシロウが自分よりも弱いままと思っていたのですが、そんなケンシロウに顔の傷をつけられたことで、「弱いやつにやられた」と思い込み、憎悪することになります。
実際に、ジャギがある村を襲った時、殺そうとした子どもを助けてほしいと、村の長老が発した「できのいい弟なんです」という言葉に反応し、「兄より優れた弟など存在しねぇ!」と錯乱し、長老を撲殺するという暴挙も働いています。
自分の実力を理解できていなかったこと、ケンシロウの配慮に気づかなかったこと、それがジャギにとって不運であったと言えます。
本当は弟の方が優れているとわかっていたのに、それを認めようとしなかったことが、ジャギにとって不幸だったとも言えます。
③武器、ダイナマイト、南斗聖拳まで…戦い方が卑怯だったから
ジャギは最後まで自分がケンシロウよりも強いと信じていました。
でも、ジャギの戦い方はとにかく卑怯で、北斗神拳を使うものであればご法度と言える「武器」を使うこともためらうことなく実践します。
実際にケンシロウとの戦いでは、自身の北斗神拳が通用しないと分かった途端、ヘリコプター用のガスタンクを使い、火をつけてケンシロウの周りを炎で包み込み、ケンシロウを焼き殺そうとします。
それまでの戦い方も卑劣で、ナイフを隠し持つ、ダイナマイトを隠し持つなど、とにかく北斗神拳の心得があるとは思えない戦いぶりで、さすがのケンシロウも「卑怯者」「クズ」と公言してしまうほどです。
ジャギに言わせれば「戦いに勝つためには何をしてもいい」というのが彼のポリシーのようで、勝利を確信すると相手に罵詈雑言を投げかけるなど、これがあの北斗神拳の使い手かと思ってしまうほどです。
ケンシロウとの戦いでは、勝利を確信したときに、シンをだましてユリアをさらうように仕向けたことを暴露すると、ケンシロウの怒りはマックスになり、その後あっけなくジャギは敗れてしまいます。
ケンシロウの怒りは激しいもので、普段であれば秘孔を突いて痛みを与えないように相手を倒すケンシロウですが、ジャギに対しては脳が飛び散り、全身が砕け散る秘孔を突き、徐々に痛みを感じながら死にゆくようにしています。
今までジャギが多くの人々に与えてきた痛みや苦しみ、それらを死の直前に実感させること、そこまでケンシロウの怒りは頂点に達したわけです。
ちなみにジャギ、ケンシロウとの一戦では短期間に習得した南斗聖拳を駆使して、ケンシロウを一瞬驚かせます。
ケンシロウには「シンの足元にも及ばない」と軽蔑されますが、ジャギが短期間の間に南斗聖拳を身につけている点だけは、拳法家の端くれであったことを感じさせます。
④使える人間は誰でも使う…人をだましてばかりだったから
とにかくジャギは、自分より強い人間を使うのがうまかった人間です。
それゆえに「卑怯者」というレッテルを貼られてしまうのですが…ジャギはそんなことお構いなしです。
まず、ケンシロウを殺すためにシンを使い、ユリアを奪うように仕向けます。
スポンサーリンク
シンに対して「ケンシロウは弱いからあのままでユリアが悪人に奪われてしまう」とそそのかします。
それも、シンがユリアに好意を抱いていることを知っており、かつシンの性格を知っているからこそ、ジャギはシンをそそのかし、その思惑通りにシンは行動します。
その後、シンがケンシロウに倒されてしまうと、今度はラオウの元に走り、ラオウの配下になって、ラオウの権威を笠に着て悪行を働くようになります。
そんなジャギですが、ラオウのことを「俺が本気になればラオウはいちころで倒すことができる」と豪語しているシーンもあり、ラオウのことを尊敬しているような感じではなかったようです。
これらのエピソードから、ジャギは人をだまし、人を利用する才能については抜群であったと言えます。
もちろん、このような性格であったために、北斗神拳の師である養父リュウケンは、ジャギを継承者に選ばなかったと言えますが、ジャギ自身はそのことに全く気付いていないのも、非常に残念といえます。
まとめ
作者の武論尊先生は、ジャギのことを北斗神拳の真髄である「愛」からもっとも遠い人物であるとし、作中でも愛から見放され、他者に愛を与えることもできない人物であるように描かれています。
このようなジャギの存在があるからこそ、ケンシロウの「愛」が強調できるという要素もあるのかもしれません。
そんなジャギですが、暴走族の女リーダーだったアンナと言う女性に恋をし、相思相愛だった時代もあります。
でも、アンナが事故によって非情の死を遂げるころから、ジャギは世の中を否定し、愛を否定するようになり、今回ご紹介したような非道の限りを尽くす人間になってしまったのです。
ジャギがここまで卑怯な人間になってしまったのは、自分自身で「愛」の限界を知り、これ以上の悲しみを背負いたくないと、「愛」から逃げてしまったことが原因なのかもしれません。
スポンサーリンク